企業や商品、個人など多種多様な場面で使用されるロゴマークは、何気なく作られて使用されているように見えますが、実は非常に重要な存在といえます。
ロゴマークを作成する際には、しっかりとした手順を踏み、しっかりと考えて作らなければ、ロゴマークの意味をなさない存在となってしまうでしょう。
ロゴマーク作成に重要となるコンセプトについて紹介します。
ロゴマークは、企業にとっても、商品にとっても、個人にとっても対外的な顔となる存在です。ロゴマークを掲げることによって、消費者などがまず最初に思い浮かべるものが、ロゴマークとなるので、そのデザインを決しておろそかにしてはいけません。
ロゴマークのデザインを安易に考えてしまうと、ロゴマークを見る人は、そのロゴマークから何らかのメッセージを読み取ることができなくなります。反対に、ロゴマークをしっかりと考え、意味のあるものとすると、メッセージ性があり人の記憶にいつまでも残る魅力的なロゴマークとなるでしょう。
人の記憶に残るものが、いい加減なものであると、後々そのイメージを払拭することも難しくなるので、とても重要です。
ロゴマーク作成の際に決してしてはいけないということがあります。いくらデザインを考えることが得意であったとしても、これをしてしまうとロゴマーク完成までに大幅な時間をとり、デザインもいまいちという事態になりかねません。
ロゴマークを効率的、かつ魅力的に作るためには、手順を守って作成することが重要です。ロゴマークを作成する際に決してしてはいけないことは、いきなり清書から入るということです。ロゴマークの作成は、おおよその場合パソコンソフトを使用して行います。
パソコンソフトを使用すれば、色は簡単に変更することもできるほか、デザインもいくつも簡単に描くことができて便利です。しかし、パソコンソフトを使用して、いきなり完成品を作成することを目的として、パソコン画面の前にスタンバイしても、なかなか完成しません。
簡単にデザインを作成できるからこそ、作業が進んでいるように感じられますが、デザインの大まかなイメージもできていないので、どうすれば完成するのかわかず、いつまでたっても完成しないでしょう。納得できるデザインの概要を決めてからでなければ、いつまでたっても完成しません。
ロゴマークの作成手順は、いくつかのステップに分かれます。まず、デザインを考えなければなりません。デザインの考え方としては、コンセプトとテイストを決めることが最初にすべきことといえるでしょう。
コンセプトとテイストは、ロゴマーク全体のイメージに直結します。
テイストを想定することによって、ターゲットに訴えかける魅力的なデザインの方向性を定めることができ、コンセプトを決めることによってそのロゴマークで伝えたいことを決めることができます。なお、ターゲットとは、商品を購入する消費者や読者などを指します。
ロゴマーク全体のイメージが決まったならば、どんどん下書きを書いていきます。この段階では特に完成品を目指す必要はありません。思いつく限りのものをどんどんと描きだし、ラフスケッチのように案を出していくとよいでしょう。
そして、それらの案の中から、どのデザインが最もテイストやコンセプトに沿うものなのかを見極め、最後に清書となります。清書は、手書きでもよいですが、パソコンを使用しても良いです。ブラッシュアップをして完成です。
ロゴマークのデザインを考える際にはいくつかの注意点があります。そのひとつが汎用性が高いデザインにするということです。ロゴマークは、様々な場面で使用されるものです。短い時間しか人の目に入らないこともあれば、大きな看板や小さな広告に印刷されることもあります。
場合によってはモノクロで使用されることもあるでしょう。それらのどの場面であっても、デザインがわからないということになってはロゴマークの意味がありません。どのような場面でも伝わる、シンプルで魅力的なデザインとすることが重要です。
また、ロゴマークは様々な人が見ます。色覚異常の人が見てもわかりやすいデザインであることを意識することも必要となります。
ロゴマークのデザインを考える際には、独自性があるのかという点も注意しなければなりません。いくら魅力的なデザインであっても、有名な企業のロゴマークを模倣していてはロゴマークとしての意味を果たさなくなってしまうでしょう。
デザインとしては魅力的で、多くの人に覚えられる可能性はありますが、あくまでも有名な企業に似ているから覚えられるのであって、そのロゴマークから自社企業を想像してくれるとは限りません。また、流行のデザインを取り入れることも避けるべきでしょう。
流行のデザインを取り入れれば、魅力的なデザインとなり、人々の間に人気は出ますが、一時的なもので終わる可能性が高いです。人気がすたれると同時に、ロゴマークも人の記憶から薄れていきます。これらのことから、独自性のあるデザインを考えることが必要です。
ロゴマークのコンセプトは、ロゴマークを作成する会社の社風や伝えいたいことなどから決めていきます。企業の社風が厳格なものであれば、コンセプトも厳格なものとなり、クラシックなものとなっていくでしょう、企業の信念が、信頼となっているのならば、コンセプトの信頼感を感じさせるものとして落ち着きのあるデザインをしていくことになります。
伝えたいことを明確にすれば、コンセプトもおのずと決まっていきます。
ロゴマークのデザインを考える際に、テイストを決めることは非常に重要です。しかし、テイストを決めろと言われていきなり決めることができるものではありません。テイストを決めるためにはいくつかの方法があります。
まず、ロゴマークを見せるターゲットを考えることが重要です。ターゲットが若い女性であれば、きれいでかわいらしいデザインに、壮年の男性ならば落ち着いたデザインにといったように全体的なイメージが決まります。次に、そのターゲットから想定できる言葉を次々に出していきます。
例としては、クリエイターをターゲットとした場合、ペンやノート、電球のマーク、パソコンなどのワードが出てくるでしょう。このようにして出てきた言葉は、ロゴマークのテイストとなるとともに、デザインのモチーフともなります。
ロゴマークのデザインは、手順に則って作るものですが、思いついたものをどんどん挙げていくと、混乱してしまうことも多いです。
そのため、何を伝えたいのか、どのようなデザインにしたいのかを明確にするために、コンセプトシートなどを活用するとよいでしょう。
コンセプトやターゲットなどを箇条書きで描きだしていけば、ロゴマークが完成した際に、見直すこともできます。
ロゴマークは、簡単に作成できるように見えて、手順を守らなければ意味のないものになってしまいます。特にコンセプトやテイストを決めずに作成し始めてしまうと、ロゴマークで何を伝えるべきか定まっていないので、良いロゴマークが完成しません。
社風や信念、ターゲットなどからロゴマークのテイストとコンセプトを決め、魅力的なロゴマークを作成してください。